Q.地方の葬儀社が業績をアップさせるためのポイントとは?

公開日
更新日
執筆者船井総研ライフサポート支援部
コラムテーマ経営課題FAQ
SHARE

A.業績向上の鍵は「顧客ロイヤルティの強化」です。葬儀以外でも接点を持ちファンを増やすことで依頼率を高めます。指標には測定可能な「接触回数」を据えましょう。事前相談や会報誌等で接触を増やし親近感を醸成すれば、「いつも親身な〇〇葬儀社」という選ばれる理由を意図的に創出でき、依頼率を高めることができます。

■ 式場(ハード)での差別化が困難な時代へ近年、葬儀業界において「家族葬」が主流となる中、1つの大きな経営課題が浮上しています。それは「式場のコモディティ化(同質化)」です。かつては、綺麗で設備の整った家族葬専用ホールを建設すること自体が他社との明確な差別化でした。しかし、同様の式場が地域に乱立する現在、ハード面での違いを打ち出すことは極めて困難です。お客様から見れば「どこも同じような便利で綺麗な式場」であり、式場だけで選ばれる理由を作る時代は終わりを告げつつあります。

■ ランキングから見える「自社で変えられる要素」では、お客様は一体何を基準に葬儀社を選ぶのでしょうか。

ある葬儀社のアンケートで「葬儀社を選んだ理由」のランキングを見ると、

1位「家から近い」

2位「以前参列したことがある」

3位「スタッフの対応が良かった」

4位「知人の紹介」と続きます。

ここで重要なのは、「自社の努力で今すぐコントロールできる要素はどれか」という視点です。1位の立地や、2位の過去の参列経験は物理的・時間的な要因であり、今からどうしようもありません。既存の枠組みの中で他社に打ち勝つには、3位の「スタッフの対応(コミュニケーション)」による差別化に焦点を当てるしかないのです。

■ 「コミュニケーション」に潜むジレンマ

「スタッフの対応が良い」「質の高いコミュニケーション」といった要素は強力な差別化要因になりますが、非常に定性的であり「数値として測れない」という問題です。

「お客様に寄り添う接客をしよう」とスローガンを掲げても、客観的な評価は困難です。数値化できない目標は、具体的な改善策や日々のマネジメントに落とし込めず、結果として現場の精神論だけで終わってしまいます。

■ 定性的な評価を定量化する「接触回数」という代替指標自社努力で業績を伸ばす鍵となるのが、コミュニケーションの深さを測るための「代替指標」を設けることです。その指標こそが「接触回数」です。

スタッフの思いやりや関係性の深さは目に見えませんが、「事前相談の回数」「定期的な会報誌の送付」「イベントへの参加回数」「アフターフォローの電話」など、お客様との接点の数は明確に数値化できます。人は接触回数が増えるほど対象に好印象や親近感を抱きやすくなります。つまり、接触回数 を意図的に高める仕組みを作ること自体が、「スタッフの対応が良かったから」という選定理由を論理的に増やしていく最も有効な手段なのです。

■ 「選ばれる理由」は自社の努力で創り出せる

ハード(式場)での差別化が行き詰まりを見せる現在、これからの葬儀社に求められるのは、ソフト(人・関係性)による差別化に他なりません。それを単なる精神論で終わらせず、接触回数という「測定可能なKPI」に落とし込んで実践していくこと。

これこそが、立地や過去の実績といった変えられない条件に依存せず、確実な自社努力によって「選ばれる理由」を継続的に創り出し、施行件数を着実に伸ばしていくための最良の戦略と言えるでしょう。

おすすめのビジネスレポート

執筆者 : 船井総研ライフサポート支援部

船井総研の葬祭業・葬儀経営コンサルティングは、全国の成功事例を武器に「業績向上」と「地域一番店化」の両立を支援する専門家集団です。施行件数の拡大や単価アップ、葬祭ディレクターの早期育成など、現場の課題を即座に解決いたします。